「トランプ不確実性リスク」への日本企業の対策は?
令和7年5月7日 セリングビジョン株式会社 代表取締役 岡部秀也 (景気循環学会会員)
世界常識を覆し経済理論の真逆を突っ走るトランプ氏。自由市場経済の理論を唱えるペンシルベニア大学でMBAを取ったと思えない「専制独裁者」ぶりだ。常識が通じないから世界の自由主義、民主主義国は困る。まるで「ジャイアン」と評する識者もいる。「オレのものはオレのもの、人のものもオレのもの」とばかりに、カナダ、グリーンランドに迫り、ウクライナにはレアアースの権益を、パナマには運河無償利用をディール(取引)する。
言うことを聞かなく反論する大学には補助金停止、出稼ぎ入国者を追放し、貿易国には高い相互関税を設定し、WHO世界保健機関を脱退し、COPの温暖化対策機関から手を引くなど、やりたい放題。しかも一方的な大統領令という自らの直感で重要な決定をし、議論やチェックする議会の存在が形骸化しているように見える。
株式、債券市場は「トランプ不確実性リスク」から乱高下しトランプ氏の一言で世界経済は混迷する。これでは米国との企業活動は困難で投資もしにくい。不確実性リスクの高い米国を敬遠して、リスクの低く確実そうな国々(アジア諸国等)との分散投資は拡大するだろう。
米国市場に依存する日本企業は、どうすべきであろうか。「専制独裁者」の朝令暮改のトランプ政策は、読みにくい。どうするのが最善か結論はなかなか出ないが下記を念頭に置いた経営がしばらく必要だろう。
1.日米政府の貿易、関税交渉(ディール)を見守る
→両国の政治経済、貿易規制の変化を見極める
2.自由主義、民主主義、法治主義を堅持。
地球温暖化対策を支持。
→原理原則は擁護し日本の存在価値を高める
3.米国市場への依存度を低くし分散投資する
国外立地・工場・研究開発投資
株式債券、ETFなど金融投資
→ビジネスは、リスク・リターンのゲームでもあり、リスクは分散してBCM(事業継続経営)を追求
4.事業モデルを多角化、新規事業推進
→本業の一本足打法から、本業+2新規事業の三本足戦略で、企業成長、雇用確保、利益で税金支払いに
以 上
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