鳥インフルエンザ頻発と迅速対応の季節に



令和6年11月8日
セリングビジョン株式会社

    日本でも、10月から海外から飛来する野鳥や家禽農場などで高病原性鳥インフルエンザに感染する鳥等が増えてきました。処分や対策に追われる自治体も下記のように多くなってきています。自治体では迅速対応をしつつ「食べることで、鳥インフルエンザが人に感染することはない。感染した鶏や卵が市場に出回ることもない」と住民に冷静な対応を呼びかけています。まずは鳥の処分をするとともに鶏舎でふんの処理や、石灰をまく消毒作業を続け、万が一にも人への感染は確実に防止しなければなりません。
    企業も従業員に対し、「衰弱したり死んだ鳥に決して近づかないこと、また、マスク装着や手指消毒液の励行などをしっかりしなければならない」と注意を促すことが必要な季節です。

    〇10月からの野鳥や家禽等への感染事例
    10月20日北海道厚真町の養鶏場で、鳥インフルエンザ陽性が確認された、埋却や消毒などの防疫措置を終えたと発表した。肉用鶏約1万9千羽の殺処分を道職員らが終えた。
    10月21日 秋田県潟上市で野生のコガモ1羽が弱っている状態で見つかり、国立環境研究所で検査を行ったところ、23日、「H5亜型」の鳥インフルエンザウイルスが検出。
    10月22日千葉県香取市の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザが疑われる事例が発生したと発表。簡易検査で陽性が判明。養鶏場で飼育する採卵鶏約3万8千羽を殺処分する。
    10月23日福島県会津若松市一箕町の野生コガモ1羽について、県は23日、詳しく検査した結果、感染力が強い高病原性ウイルス(H5亜型)が検出されたと発表。
    10月26日新潟県上越市の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザの感染が確認。
    10月28日滋賀県は長浜市内で野鳥のハヤブサの死骸が見つかり、高病原性鳥インフルエンザの疑いがあることがわかったと発表した。簡易検査で陽性が確認。
    10月31日島根県大田市の養鶏場の鶏が高病原性鳥インフルエンザ(H5亜型)への感染が確認。
    11月6日新潟県胎内市の家きん農場において、家畜伝染病である高病原性鳥インフルエンザの疑似患畜が確認。

    〇農林水産省の対応
    「農林水産省鳥インフルエンザ防疫対策本部」を開催し、今後の対応方針について定めつつ、全都道府県に対し、改めて注意喚起し、本病の早期発見及び早期通報並びに飼養衛生管理の徹底を指導や関係府省庁と十分連携を図りつつ、生産者、消費者、流通業者等への正確な情報の提供に努めるとしている。

    〇東京大学国際高等研究所 新世代感染症センター( 河岡義裕 機構長)らの研究
    2024年3月に米国の乳牛農場従業員で結膜炎を発症したヒトから分離されたH5N1高病原性鳥インフルエンザウイルスの病原性と感染伝播性について動物モデルを用いて解析。H5N1亜型の高病原性鳥インフルエンザウイルス(注1)はヒトに感染することは稀であり、ヒトからヒトへと効率よく飛沫伝播は起こさないものの、ヒトに感染した場合には重篤な症状を引き起こし、50%程度の致死率を有する。2020年から現在に至るまで、H5N1亜型(clade 2.3.4.4b)の高病原性鳥インフルエンザウイルスが世界的に流行しており、ヒトを含む様々な哺乳類への感染例も報告されている。2024年3月以降、米国の14の州の乳牛においてH5N1高病原性鳥インフルエンザウイルスの感染例が報告された。また、ウイルスに感染した牛の乳汁、体液を介したヒトへの感染例も報告されており、ヒトでのウイルスの感染拡大が懸念される。

     ヒトから分離された牛由来高病原性H5N1鳥インフルエンザウイルスの病原性と感染伝播性 | 東京大学


    以 上


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