震度7に耐える?倒壊家屋防止を



令和6年4月30日
セリングビジョン株式会社

     家族、地域住民の命を守り、地域の産業復興、企業の事業継続のために必要な対策の一つは、倒壊家屋を防止することであろう。最近、能登半島沖地震で被害を受けた倒壊家屋を調査した専門家は、新耐震基準で建築された家屋は、震度7でも倒れなかったという。
     耐震化基準は、1981年前の旧耐震基準、1980-2000年の新耐震基準、2000年以降の最新基準に分けられる。最新基準値は@地盤に応じた基礎の設計、A接合部に金具取り付け、B偏りのない耐力壁の配置の3点が加わった。

     家屋の耐震化率は40も前の1981年基準に合致する割合だが、住居の戸数で計算するため、耐震高層マンションが多いと地域の耐震基準率は上がる。
     東京都の23区で耐震化家屋が90%の区が7割を占めるという。都内であっても倒壊する老朽化建物は1割以上に上る可能性がある。
     さらに非耐震化の老朽化家屋は狭い路地で並んでいたり、空き家も多いと聞く。もし耐震化率を家屋数に直せば地震に危ない比率はさらに上がるから厄介だ。
     古い木材家屋密集地域では、家屋の倒壊で居住者が被災するだけでなく、逃げ道の路地を塞いだり、阪神淡路大震災のように火災が隣接家屋に炎症し地域大火災も懸念される。

     やはり、市町村の行政単位で家屋の耐震化(筋交、内壁強化など)改修を住民にアピールし厚い補助金を出すことも必要だろう。
     企業もBCM(事業継続経営)の視点から社員の寮、社宅を再点検したり、社員の住居についてヒアリングしたらどうであろうか。
     日本の高齢化により、改修済み木材家屋は減り、空き家は増えて日本家屋も脆弱性が目立つ。
     南海トラフや東海沖、東京直下の大震災も想定されるだけに、企業も自社家屋だけでなく社員の住宅に今まで以上に配慮すべきときがきているのではないか。
     まずは行政に補助金申請の手続きをすることが重要と専門家は話す。住民と地域の安全ばかりか、費用的に考えても非耐震設計の倒壊家屋を解体する公費と比べてもメリットがあるのではないか。

     次のプロセスで行政の補助を得てすぐに対策を講じるべきではないか。

     1.耐震診断
     2.改修計画設計
     3.補助金申請、見積もりもし市町村で100万円の補助金があれば高齢者で年金暮らしの方も工事負担は無し
     4.耐震改修工事


    以 上


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